エルメスベアンアリゲータ素材のメンテナンスをご紹介します。
今回はメッキの色褪せ修復も併せてのメンテナンスとなります。
構造で変わりますが、H型のベルト通しを外す上で
必要に応じて外周の縫製を解き、手縫いで縫製を致します。
エルメスのステッチは、表と裏糸を編みこむように手縫いで
縫い付けていきますので、ホツレにくくなります。
※サドルステッチ縫いと言います。
内部の構造です。
取外した状態です。
H部分のメッキの色褪せ、本体の艶感も無くなり白く変色しておりますが、
メッキ加工を施しメッキ後、再縫製、染料を用いて染色補正を施し、光沢を出します。
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ベルト部分のステッチが無くなった状態もずれなく、修理できました。
ウロコ感の溝も染色補正のため、埋まりません。
逆に光沢を出した事で、ボリューム感が出て、くっきりしました。
折り目のバニッシュ剥がれもメンテナンスさせて頂きました。
爬虫類系のレザーは、本来、経年変化を楽しむレザーですが、
画像のような状態になりますと、高級感が無くなってしまいます。
アリゲータやクロコ、リザードの染め直しや艶出しなどメンテナンスを
お考えの場合、きちんとした知識がある専門店で
ご相談いただくことを、お勧めします。
アクリル系(絵の具と同じ成分)で全体的なメンテナンスを致しますと
レザーに馴染まず不自然な仕上がりになります。
※アクリル系(絵の具)を使用しますと、レザーに浸透しないため、
アクリルが浮いてウロコ間の筋が埋まり、
かなり不自然な仕上がりになってしまいます。
リザード(とかげ)レザーも同様となります。
内側面はスムースレザー(銀面のあるレザー)になります。
顔料をベースに着色補正を施し新たな銀面を作り、くすんだ感じの色褪せ
変色や擦り傷も概ね修復できました。
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表面は、染料を用いた染色補正
内側面は、顔料を用いた着色補正
素材やレザーの特性に応じて、適切なメンテナンスをさせて頂いております。
お客様の声:エルメスベアンアリゲータの修復をご依頼いただいたお客様からです。